留学生は留年すると強制送還される?(ビザ更新時のポイントについて)
ある大学生の方より、ご相談がありました。

こんにちは。私は中国からの留学生です。現在薬学部の大学3年生なのですが、留年することが確定しています。
次の更新時にビザの更新は出来ずに強制送還になってしまうのでしょうか?
親に怒られてしまいます。別の大学へ転学した方が良いですか?どうすれば良いでしょうか?
大変困った様子でのご連絡でした。
留学生は文字通り「留学」ビザですので、ビザの期間更新において、学校の成績や出席状況が審査状況に影響します。
留年は多くの場合、審査にマイナスの影響を与えます。しかし、一律に不許可になるわけではありません。
留年の理由 | 可否 |
オーバーワークや不法就労 | ×(絶対不可です) |
病気などのやむを得ない理由 | △ |
親族の不幸による帰国などによるやむを得ない理由 | △ |
学業不振によるもの | △(今回の事例) |
前提として、出席率やいわゆるGPAが平均以上の学生でないとダメです。
今回のご相談者の理由をお伺いすると、薬学部という特殊な事情があるようでした。
薬学部は他学部より留年率が高い傾向にあります。
また、大学ごとの差が非常に大きく、卒業率が80%を超える大学がある一方で、40%を下回る大学も存在します。特に、偏差値が低い大学ほど留年率が高くなる傾向があるようです。これは、大学が国家試験の合格率を上げるために、学力不足の学生を厳格に選別しているためです。
今回の場合は、出席状況や、大学独自に集計されている修学状況等、客観的に分かるものと理由書の作成が良いと思われます。

日本語学校の場合は、学校がまとめて在留資格の更新をする場合が多いですが、大学生や大学院生はご自身でされる方がほとんどです。留年等のイレギュラーが発生した場合や、オーバーワークや不法就労は絶対にダメだということを必ず知っておく必要があります。
今回は薬学部という特殊な事情もありましたので、文系出身の私としても大変勉強になりました。
ご相談者さまも安心していただけたようでご依頼となりました。