令和7年度(2025年度)から、介護福祉士国家試験に「パート合格制度」が導入されることに伴い、特定技能1号の「通算5年の壁」を突破し、6年目の在留を認める特例措置が正式に決まりました。(令和8年1月21日付社援発0121第10号)
「あと少しで合格できたのに、5年経つから帰国しなきゃいけない…」そんな悲劇を防ぐための重要な改正です。ポイントを絞って分かりやすく解説します。

1. そもそも「パート合格制度」とは?
令和7年度(第38回)試験から、試験科目が複数のグループ(パート)に分けられます。
メリット: 合格点に達したパートがあれば、翌々年までその科目の受験が免除されます。
狙い: 働きながら学ぶ外国人の負担を減らし、段階的な合格をサポートします。
2. 【図解】在留期間「延長」の仕組み
特定技能1号は通常「通算5年」が上限ですが、この特例制度を使えば「最大6年」まで在留可能に。
特定技能1号「介護」6年目延長への流れ
※全パートを受験していることが必須
① 1パート以上の合格
② 総得点が合格基準点の8割以上
学習計画書などをセットで送付
「結果確認通知書」を添付
3. 延長が認められる「3つの絶対条件」
① 本人の成績(ここが最重要!)
全パート受験: 5年目の試験で全ての科目を受験していること。
1パート以上の合格: どこか一つのブロックは合格基準を超えていること。
総得点の「8割」: 全体の得点が、合格基準点の8割以上であること(=あと少しで合格だった、という証明)。
② 本人の意思と誓約
「来年こそは絶対に受かる!」という学習意欲があること。
合格したらすぐに在留資格「介護」に変えること、不合格なら帰国することを誓約すること。
③ 施設のサポート(学習計画)
- 施設側が「引き続き雇いたい」と思っていること。
- 「学習計画書(別紙様式2)」を作成すること。→ 施設側は、本人のこれまでの弱点を分析し、どう勉強させるか(自習環境や外部講習の活用など)を具体的に記す必要があります。
学習計画書(様式2)作成のチェックポイント
- 前回の分析: なぜ落ちたか?(例:医学知識、漢字など)
- 環境整備: 施設がどう助けるか?(例:自習室、夜勤調整)
- 具体的支援: 何を使うか?(例:アプリ、外部講習、個別指導)
- 本人の意向: 来年は絶対に合格するという強い決意
※行政書士注:4月末の期限に間に合わせるため、3月の自己採点直後から準備を開始することをお勧めします。
4. 手続きのスケジュール(期限厳守!)
この手続きは、「厚労省の確認」→「入管への申請」という2段構えになります。
| ステップ | 内容 | 期限 |
| Step 1 | 国家試験の受験 | 1月下旬 |
| Step 2 | 合格発表・パート合格の判明 | 3月下旬 |
| Step 3 | 厚生労働省へ確認依頼書類を発送 | 4月末日まで |
| Step 4 | 厚労省から「結果確認通知書」が届く | 順次 |
| Step 5 | 入管へ「在留期間更新許可申請」 | 在留期限まで |
⚠️ 注意ポイント!
在留期限が迫っている場合は、4月末を待たずに大至急書類を送る必要があります。
5. 実務的なアドバイス
今回の改正は、現場で活躍する特定技能外国人にとって「大きな希望」です。しかし、「学習計画書」の作成や厚労省への確認依頼など、施設側の事務負担も増えます。
施設担当者の方へ: 4月の年度初めの忙しい時期に、この手続きが重なります。対象になりそうな職員がいる場合は、今のうちから成績管理と面談の準備をしておきましょう。
特定技能の方へ: 「5年で終わり」ではありません。パート合格でチャンスが広がりました!一問でも多く正解できるよう、最後まで諦めないでください!

特定技能1号で初めて来日した方は、受験資格に実務経験が3年必要なことから、5年の在留期間では実質これまで、受験チャンスは2回しかありませんでした。実際に特定技能の方にお話しをお伺いすると、仕事をしながら実務者研修にも出席し、さらに日本語、国家試験の勉強となるとなかなか大変なようです。これによって、在留資格「介護」へのチャンスが拡大するので、歓迎すべき措置です。
しかし、こうしたパート合格制や在留期間延長制度もあって、「みなし介護福祉士制度」の存続・廃止論にどのような影響があるのか、気になるところです。










