介護福祉士試験の改正は介護業界の人手不足につながる?

結論としてYESであり、NOであると感じます。
人手不足に良い影響を与えるかもしれないが、根本的な解決にはならないと感じます。
以下で、述べていきたいと思います。
従来の試験方式と新試験方式の比較
項目 | これまでの方式 | 新試験方式 |
合否判定 | 全科目一括で合否を判定 | 3つのパートに分けて合否判定 |
受験方法 | 全科目を受験 | パート毎、一括でも受験可能 |
不合格時 | なし | 不合格のパートのみ判定される |
再受験 | 全科目を受験 | 不合格のパートのみ再受験可能 |
合格方法 | 全科目に一度で合格する | パートのすべてに合格する |
このように、パート毎に再受験が可能なことから、パート合格制の導入が発表されると、受験者にとってはメリットしかないと喜びの声が上がる一方で、こんなやり方では介護福祉士の質が下がるんじゃないかという声もありました。
来年度からの実施ですので、実際に合格率が増えるのか減るのかはわかりません。
パート合格制の導入の説明をみると、
①就労と試験に向けた学習の両立が課題
②外国人の国家試験の合格率は、日本人を含めた全体の合格率と比較すると低い傾向にあることを踏まえると、外国人介護人材にとっても限られた受験機会の中で就労と国家試験受験に向けた学習の両立は課題
とあります。
やはり、②が大きいように感じます。
永続的な就労への道筋ができやすいということです。
特定技能の5年間の在留期間中に介護福祉士資格を取得できなければ、原則として帰国しなければならないケースもあります。
パート合格制度は、外国人介護人材が在留期間内に介護福祉士資格を取得し、在留資格「介護」へ移行できる確率を高めることで、日本での長期的な就労と定着を促進します。

介護福祉士の「パート合格制度」は、その外国人がより高度な資格を取得し、日本で安定したキャリアを築き、永続的に活躍するための道筋を、より現実的に開くための制度であると言えます。日本の介護人材不足という共通の課題解決に向けて連携し合う関係にあります。
根本的な解決には至りませんが、介護福祉士を取得することで得られる在留ビザ「介護」は外国人就労者のモチベーションアップにつながると感じます。
在留ビザ「介護」については特別コラムで詳細に解説いたします。
