経営管理ビザは3000万円でも安い!?
令和7年10月16日より、経営管理ビザの申請要件が改正されます。
主な改正ポイントは
①常勤職員の雇用について:
申請者が営む会社等において、1人以上の常勤職員を雇用することが必要。(職員は日本人や永住者であること)
②資本金の額等について:
3,000万円以上の資本金等が必要 。
③日本語能力について:
申請者又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有することが必要 。
(日本語能力はN2以上)
④ 経歴(学歴・職歴)について:
申請者が、経営管理又は申請に係る事業の業務に必要な技術又は知識も有していること。
 
⑤事業計画書について:その計画に具体性、合理性が認められ、かつ、実現可能なものであるかを評価するものとして、経営に関する専門的な知識を有する者(会計士や税理士など)の確認の義務化。
経営管理ビザについては特別コラムでくわしく解説しています。
この改正は、制度の趣旨を外れた移住目的の不正利用を抑制する狙いであると言われています。
本ページ作成日(2025年10月13日)は関西万博が閉会した日ですが、インバウンドや万博をターゲットとして民泊事業として経営管理ビザを取得する事例が多数であったように思います。
500万円という資本金が各国に比べて破格であり、永住ビザに切り替えることもできることから、ブローカーが暗躍し、ペーパーカンパニーや違法な許可スキームが中国のSNSで散見されるなど多くの問題がありました。
【各国の経営管理ビザ簡易比較】
| 国名 | ビザの種類 | 最低投資額(現地通貨) | 日本円(概算) | 備考 | 
| アメリカ | EB-5永住権 | $800,000 | 約 1億2,160万円 | 永住権。雇用促進地域(TEA)の場合。 | 
| アメリカ | E-2一時滞在 | $100,000〜$300,000 | 約 1,520万円〜4,560万円 | 一時滞在ビザ。事業の性質により変動。 | 
| ポルトガル | ゴールデンビザ | €500,000 | 約 8,250万円 | 居住権(永住権につながる)。ファンド投資など。 | 
| ギリシャ | ゴールデンビザ | €250,000 | 約 4,125万円 | 居住権(永住権につながる)。不動産投資。 | 
| カナダ | 起業家ビザ(州) | $200,000 CAD | 約 2,300万円 | 永住権(州プログラム)。新規ビジネス設立が条件。 | 
| ドバイ | 長期滞在ビザ | 750,000 AED | 約 3,000万円 | 不動産投資による長期滞在(永住権ではない)。 | 
これをみると、改正後でやっと各国と近い水準となっている気がしますが、日本の公的サービスを考えるとそれでも高いとは言えないのではないのでしょうか?
つい先日も、中国の方から経営管理ビザの申請のご相談を受けたのですが、
法律の改正ありまして、150,000元ほど必要になりましたとご説明すると、
「150,000元(日本円で約3200万円程))は安い!(自分の)子供たちが日本で教育を受けるのに15万元で済むなら安いものです。」と仰っていました。
実際にその方もかなりの資産を保有しており、ご相談場所も滞在中の超高級ホテルのラウンジでした(汗)


話を戻すと、
現在経営管理ビザで滞在中の人は次回の更新時(3年経過後)に改正後の要件で審査されることとなります。
そのため、この改正のニュースが出始めたころから経営管理で滞在している方の会社の身売り話が中国SNSで多く出始めており、資金に余裕のある方が買収するというようなケースも出始めています。
同じ経営管理でも二極化しているという感じです。
このような経営管理ビザの実態についてはまた別の回で触れたいと思います。



 
  






